能動的情工場

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Whale

いつか降った雨

綺麗?

どうだろう

 

いつか吹いた風

ふたりの繋がれた腕を裂き

飛び散った血液が

真っ白いルーズリーフに象を描いた

 

いつか降った雨

ふたりの熱めの身体を溶かし

どろどろになった体液が

迷える仔羊の墓標となった

 

いつかくる冬は

ふたりの別れを同時に意味し

孤独になるであろう部屋を

白い怪物がノックするんだ

 

クジラは大きな天秤の上で

から笑いしては踊り続ける

虚無が相手だ

鼓動が拍手だ

踊る

踊る

 

いつか降った雨

綺麗

罅の入ったガラスの様で

 

あまりに眩しかった空

見上げた僕らの視界を奪い

暗幕の裏のステージには

沈黙の苦い記憶

 

どこかで期待していたような

どこかでやり直せたような

流れ続ける鮮血を眺め

そう思った

 

クジラは大きな天秤の上で

僕を嘲笑い踊り続ける

虚無が相手だ

鼓動が拍手だ

踊る

 

いつか降る雨

綺麗だったら

 

いつかくる冬で

夢は醒める?

もしも醒めたのなら

もしも醒めたのならば

 

春は来ない